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2節 株式会社の特色と設立



1.株式会社の特色




(1)株式の発行

株式会社は株式を発行することにより、広い範囲の者から

資本を集めることができるので、大きな事業を行うことができます。




(2)株主の有限責任

株主有限責任の原則とは、株主に追加出資の義務はなく、

会社が債務をはらえないからといって、株主が会社債権者に

対し弁済の責任を負うことはないということです。




(3)資本金

◆資本金不変の原則

いったん定めた資本金の額を勝手に減らしてはならないという原則。




◆資本維持の原則

会社は公示した資本金の額に相当する財産を保持するよう

努めなければならないという原則。




◆出資

会社を設立するときは、どれだけの出資を確保するかを定款で定める。

従来あった最低資本金制度はなくなったので、資本金1円の株式会社も

設立可能。

また、土地・建物や特許権など、金銭以外の物を対価に株式を発行したり

することもできる(現物出資)。

それらの財産を会社が成立すれば譲り受けることをあらかじめ約束して

おく(財産引受け)には、それぞれ定款に記載することが必要。




◆資本金の額

資本金の額は、「株式の払込金額×発行した株式数」であることが

原則だが、発行時に決めれば、払込金額の2分の1以内は資本金に

入れなくてよいとされている。資本金の額は登記し、貸借対照表で公示する。




(4)多様な株式会社の分類

①大会社

資本金の額が5億円以上または負債総額が200億円以上の株式会社を

いいます。大会社は他の会社よりも厳しい規制を受けます。




◆大会社の規制

・必ず会計監査人を置かなければならない。

・貸借対照表だけでなく損益計算書も公告する。




②公開会社

その会社が発行する株式について、譲渡に会社の承認が要るという定款の

定めを設けていない会社をいいます。

株式を上場している会社という意味ではありません。




◆公開会社の規制

・必ず取締役会を置かなければならない。

・議決権制限株式は発行済株式総数の2分の1以下に抑える必要がある。




③△△設置会社

ある機関を備える会社はその機関名を冠して△△設置会社と呼ばれます。

例えば、取締役会設置会社などがあります。

ただし、執行役は常に委員会とセットになっており、別個に設置されることは

ありませんので、執行役設置会社という呼び方はせず委員会設置会社と呼びます。