PR

10節 組織の再編



1.合併




2つ以上の会社を1つにすることを会社の合併といいます。




◆新設合併




当事会社の全部が解散して新会社を設立する方法。




◆吸収合併




当事会社の1つが存続して他の会社を吸収する方法。







2.会社の分割




会社の1部門を切り離し、別会社として独立させることを新設分割といい、

切り離した部門を既存の別会社にくっつけることを吸収分割といいます。

会社の分割は事業譲渡と違って、その部門を構成する権利義務が個別に

移転されるのではなく、部門ごと一括して継承されます。

株式会社が新設分割をするのに際し、新設される会社が発行する株式を

分割会社(元の会社)の株主に割り当てることも可能です。

新設分割をするには、分割計画書に株式の割当てその他の重要事項を

記載し、株主総会の特別決議でそれを承認します。吸収分割をするには、

分割会社と継承会社の間で吸収分割契約を結び、それを両社の株主総会

の特別決議で承認します。

分割に反対の株主は株式買取請求権を行使できます。分割の無効は

6か月以内に起こす訴えによらないと主張できませんし、分割を無効とする

判決の効力は過去に遡りません。







3.株式交換




株式交換とは、A社がB社の発行済株式全部を取得しようとするとき、

両者の間で株式交換契約を結び、B社の株主が持つB社株をそっくりA社が

発行する新株又は保有中の自己株式と交換することをいいます。この場合、

A社は資金を使わずに完全親会社となり、B社はその完全子会社となります。







4.事業の譲渡




他の会社の事業を譲り受けることによって、会社の規模を拡大することが

できます。この場合は合併と違って、事業を構成する財産を個別に移転する

ことが必要です。譲り受けの対価は金銭その他の財産です。

譲渡する側の会社では、事業全部を譲渡する場合はもちろん、事業の重要な

一部を譲渡する場合も、株主総会の特別決議が必要です。なお、事業全部を

譲渡しても、対価で別の事業をすることもできますから、会社は解散する必要は

ありません(当然には解散しません)。

また、事業の譲渡や譲り受けに反対する株主は、株式買取請求権を行使する

ことができます。




5.組織変更




株式会社は一定の手続きを行えばその組織を変更して、合名会社、合資会社

又は合同会社に変身することができ、逆に合名会社などが株式会社に衣替え

することもできます。




6.会社の解散




会社は、合併や破産、定款に定めた存続時期の満了によって解散するほか、

株主総会の特別決議によっても解散します。