銀行や証券業務を行う金融機関等で働く人にとって必須の二種証券外務員資格。金融商品の多様化・複雑化に伴い、その役割は大きくなっています。この『証券外務員二種編』中嶋航のブログは、中嶋航が証券外務員二種の資格取得を目指して、知識を蓄積させていくための学び場専用ブログです。
7節 株式会社の機関Ⅲ
3.取締役
(1)取締役の必要人数
取締役会を置く会社には、取締役は3人以上必要です。
取締役会を置かない会社では1人いれば足ります。
(2)取締役の任期
取締役の任期は原則2年以内ですが、短くすることは可能です。
また公開会社でない会社では定款で10年まで延ばすことも可能です。
(3)取締役の選任・解任
取締役は株主総会の普通決議で選任され、任期が満了する前でも
普通決議で解任されます。
なお、不正行為をした取締役の解任が否決されたとき、議決権又は
発行済株式の3%以上(公開会社の場合は引き続き6カ月以上)を持つ
少数株主は裁判所にその取締役の解任を請求することができます。
(4)欠員の場合
取締役に欠員が出た場合、新取締役が就任するまでの間、退任取締役が
職務を続けることになります。
なお、取締役の退任により取締役の員数が法定数を欠けた場合でも、
その会社の監査役に取締役を兼任させることはできません。
(5)取締役の報酬
取締役の報酬は、定款又は株主総会決議で定められるものとされています。
金額が確定しない報酬は算定方法を、金銭以外の報酬は具体的な内容を定めます。
(6)取締役の責任
取締役が任務を怠って会社に損害を与えたときはその賠償責任を負います。
この責任を免除するには、原則として株主全員の同意が必要とされます。
取締役の会社に対する賠償責任を、一定限度で制限することができます。
具体的には以下の方法で行います。
・責任が発生した後に、総会の特別決議で軽減する。
・あらかじめ定款に定めておき、発生後に取締役会の決議で軽減する。
・社外取締役については、定款の定めに基づいて責任軽減の契約を結ぶことも
できる。
ただし、責任軽減をできるのは、単純に任務を怠ったことの責任に限ります。
利益供与・利益相反取引・違法配当などの責任は軽減できません。