2.準備金
(1)法定準備金
法定準備金は法律が積立てを強制しているものであり、資本準備金と
利益準備金から成っています。
資本準備金は、株式の払込金額のうち、資本金に組み入れない部分や
合併・会社分割・株式交換・株式移転の差益金をここに入れます。
利益準備金は、配当などを剰余金から支出するたびに、その10分の1
以上を積み立てなければなりませんが、資本準備金との合計が資本金の
4分の1に達した後は積み立てなくてもよいとされています。
また、資本金と準備金の合計額に相当する資産を留保したうえでなけれ
ば、剰余金の配当や自己株式の買受けはできません。
(2)法定準備金の減少
資本準備金は、増資を続けるといくらでも増え続けます。増資をすると、
払込金額の半分までは、資本金に入れずに資本準備金としてよいので、
株価の高い会社ではとくにその額が大きくなります。準備金が多いことは
財務面では望ましいのですが、会社運営の面からは、法定準備金は使途
が限られているため不便であるといえます。
準備金の額は株主総会の決議によって減少することができます。減らした
分を会社が自由に使える剰余金にする場合は、債権者のための拘束から
解かれることになるため、債権者保護の手続をとらなければなりません。